今日は予定の間に挟まったのんびりできる予定の無い日です。月間文春一気読み。

店じまいよたよた日記
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アイキャッチ写真:都会のようにお金を掛けなくとも生活の場で楽しむことができます。晴れた日の閉伊川河口の釣り人達。奥に見えるのが悪評の河口堰です。
➡ 日経クロステック「度重なる増額で工事費5倍の353億円以上。震災復興の岩手県水門工事。

月間文芸春秋7月号。
藤原正彦氏(作家・数学者)のエッセイ古風堂々。
過去の女性遍歴のなどちらつかせるエッセイは自慢話で昭和のおいぼれのたわ言にしか聞こえず。
不快になるので飛ばすエッセイだったが、「正義を振りかざす」という今のマスコミの太陽に違和感を感じていた「頭の悪い僕」にとって我が意を得たりと同意する内容でした。

自由について語った後、

平等のほうが自由より見つけにくい。区別と差別の違いも難しい。女風呂や女子大に男を入れないのは区別だ。そもそも人間は無数の属性を持つが、平等に与えられているものは一つもない。不平等な人々を平等に扱うと不平等を固定することになりうる。

例示として、東京大学の厳正平等な入試の結果とケンブリッジ大学の入試にかかわった時の経験との比較。そして東大が形式的平等、ケンブリッジが現実にある不平等を考慮に入れた主観的平等といえようと語り、「日本でなら大問題となるケンブリッジ方式だが、どちらも平等である。」と語っています。

先の参議院選挙での議員一人当たりの有権者数を比べると、神奈川県は福井県の約三倍だった。これを見て、「日本国憲法で定められた法のもとの出の平等に反する」などと正義を振りかざす人がいて、十六件の訴訟が起きた。高裁などが検討した結果、違憲一件、違憲状態八件、合憲七件だった。平等の定義がないから論理的結論など出るはずもないのだ。アメリカの上院議員は各州二人ずつだ。一票の格差が六十六倍の州があっても騒ぐ人はいない。国連だって人口四万のモナコと人口十四億のインドは同じ一票だ。

最後に、「自由、平等、人権は正義である。正義を振りかざした途端に思考停止に陥ることは、歴史上嫌になるほど見てきたのに、今また世界は正義を振りかざす国や人ばかりだ。」と結んでいました。
都会に住む法律家の一票の格差の主張への違和感がここにあったのかと「頭の悪い私」が気付きました。

以上、引用は「月間文芸春秋」2024年7月号藤原正彦氏(作家・数学者)のエッセイ古風堂々より。

いつも楽しみにしているのは、塩野七生氏の「日本人へ」と清武英利氏の「記者は天国に行けない」です。

以上

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