「2022年、ノルウェーで売れた新車の80%はEV(電気自動車)だった。2025年にガソリン自動車の販売を終了すると宣言した。」。なお日本では、2022年のEV販売比率(乗用車)が1.71%だった。

店じまいよたよた日記
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クーリエJAPAN 5min2023.5.25
EV先進国ノルウェーが取り上げられていました。The New York Timesからの引用した記事です。
日本と比べて人口で545万人の人口の少ない国の話ですのでどこまで参考になるかはわかりません。ただ特徴的なのは移民の人口がその中で15%強を占めるということです。
以下、記事の紹介です。

首都の“ほぼ”EV化を実現したノルウェー。
電気自動車のもたらす革命が、環境や仕事、そして日常生活にどのような影響を与えるのか。そして残る“肝心な問題”とは?──ノルウェーの状況から私たちの未来が見えてくる。

ノルウェーのバンブル──そこは首都オスロから、松とカバノキが両側に並ぶ高速道路を南に160キロほど走った場所に位置する街だ。バンブルの給油所は、電気自動車が主流となった未来を垣間見せてくれる。

テキサス発祥のコンビニエンスストア「サークルK」が運営するサービスエリアには、ガソリン給油機の数をはるかに上回る電気自動車用の充電スタンドがあふれている。夏の週末になると、オスロの人々が地方のコテージへ向かうため、充電を待つ行列で高速道路の出口が混雑することもしばしばだ。サークルKで働くマリット・バーグスランドは、ハンバーガーのパテをひっくり返したり、レジを打ったりという日々の業務に加え、充電スタンドの順番を待ちながらイライラしている客に対処する方法も学ばなければならなかった。自動車ディーラーや小売業者も対応を迫られる。電気自動車への移行は自動車業界の秩序を一新した。ルノーやフィアットなどの伝統的なブランドを追い越し、いまやテスラが業界一のブランドとなっている。

フォード・モーターが数年間所有していたノルウェーのスタートアップ企業「ティンク」を支援すべく、ノルウェーは1990年代に電気自動車の生産を推進しはじめた。バッテリーパックの電気エネルギーで走る二次電池式電気自動車は、付加価値税と輸入税、有料道路の通行料を免除されていた。

さらに政府は、電気自動車用の充電スタンドの建設にも補助金を出した。これは面積がカリフォルニアくらいで、人口わずか550万人ほどの国では喫緊の課題だ。電気自動車の魅力と、どこでも充電できる手軽さが、「すべての問題を取り払った」と、スウェーデンに拠点を置く「ボルボ・カーズ」のCEOジム・ローワンは言う。

こうした政策を実施してきたノルウェーは、米国の10年先をいく。バイデン政権は、2030年までに新車の販売数の50%を電気自動車にすることを目標にしているが、ノルウェーは2019年、すでにこの数字を達成している。

註:日本では、2022年のEV販売比率(乗用車)が1.71%だった。

電気自動車への移行は、2030年までに二酸化炭素排出量をゼロにするというオスロの大きな計画の一環で、2023年の末までにすべての市営バスが電気自動車になる予定だ。また、オスロは建設業にも焦点を当てている。建設作業は、オスロの温室効果ガス排出量の4分の1を占めているのだ。公共事業関係者たちが電気やバイオ燃料をエネルギー源とした装置を使えば、温室効果ガスの排出量はぐっと改善されるだろう。

オスロの副市長シリン・ヘルヴィン・スタヴは、自らノルウェーの「偽善」と呼ぶ問題があることを認識している。ノルウェーは温室効果ガスを削減すべく努力している一方で、多くの原油とガスを生産しているのだ。昨年、ノルウェーの化石燃料の輸出高は25兆円にものぼった。

「私たちは汚染を輸出している」とスタヴは言う。彼女が属する緑の党は、2035年までに原油とガスの生産を廃止する目標を掲げている。

しかし、ノルウェー政府が原油とガス生産から手を引く様子はない。ノルウェー石油エネルギー省の副大臣アムンド・ヴィクは声明で、ノルウェーは欧州のエネルギーの安全を保障していると述べた。また、複数の資源を生産していて、現在開発中の資源もあるとも付け加えている。

➡ 日本のEVへのメーカーの取り組みが、一周遅れという記事を書きましたが、改めて考えると日本としてのインフラ整備を考慮すると2周遅れの日本ということができるかもしれません。
自動車メーカーの株を少し保有する身としては、昭和の時代の世界に冠たる日本の総合家電メーカーや半導体メーカーの衰退と同じようなことが起きかねないと心配になります。

以上

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